ちょっと一服 小噺百話/北の美味いをお届けする【北加伊堂】

 亭主が帰宅したら、女房が裸でベットに寝ている。葉巻の匂いがするし、どうも怪しい。窓から下を見ると丁度マンションの玄関から葉巻を咥えた男が出ていく。
 「こいつに違いない」とカッして部屋の大時計を持ち上げて、その男めがけて投げた。それが、見事に命中したのだけれど、急に重い物を持ち上げたから、その亭主も心臓が破裂して一緒に死んでしまった。
 天国の門に着くと、3人の男が行列を作っている。番人が一人づつ、「お前は何で死んだ」と聞いているわけ。
 最初の男は、「道を歩いていたら、突然上から大時計が落ちてきて押しつぶされたんです」次ぎの男は、「私は、これこれこういう訳で、大時計を持ち上げて投げた途端に心臓が破裂して死んでしまったんです」
 番人が「してお前は?」と聞くと、三人目の男は、「いやぁ、実は、その大時計の中に隠れていたんです」


 裁判官が「君は、この夫人を豚と呼んだ、それはいかん」、すると被告が「分かりました。奥さんを豚と呼ぶのはいけないと分かったけれど、では、豚を奥さんと呼ぶのはいいですか」、「まぁ、それならいいだろう」、
 すると被告は、夫人に向かって「奥さんごめんなさい」


 母の胎内に80余年いたといわれるのが中国の学者、老子。弟子の一人が「先生、母の胎内とはどんなところでございましょう」
 「暑くもなく、寒くもなく。食べるものにも不自由しないし”秋”といった心もちだな」
 「ハハァ、秋ですか。どのようなところで秋とお見分けがつきましたか」
 「あァそれは、ときどき下からマツタケがはえてくる」


 マックドールが死んで葬儀が行われていた。一般に牧師の言葉はだいたい型通り死者の残した生前の徳をたたえる程度のもののはずなのに、この日はどうしたわけか長くしかも熱のこった大げさなものになっていた。
 うっかりして献金を多くし過ぎたかも知れなかった。
 葬儀参加者がざわつき始めた。中でも一番困惑したのは未亡人だった。
 「エリックちょっと」未亡人が長男を呼んだ。
 「柩のとろろへいってあの中の人が本当にお父さんかどうか確かめておいで」


 ケジラミのジャンが血を吸いながらヌクヌクとすごせるいいカモはいないかと駅の待合室で旅行者を物色していた。
 そこへ仲間のケジラミのマックがガタガタ震え、今にも死にそうに歩いているのを見て声をかけた。
 「どうしたマック?」
 「ひどい目にあったよ、おれが取りついたのは運悪くアルピニストのひげの中で、雪と氷に埋もれて1ヶ月も暮らしたんだ」
 「早くそこらにいる若い女の足から這い上がってアソコへもぐりこめ、冷えた体を温めるんだ。早くしないと肺炎になって死ぬぞ!」
 1ヶ月後、また、この間みたいにガタガタ震えているマックシラミに出くわしたジャンシラミは驚いて聞いた。
 「どうしたおれのいう通りにしなかったのか?」
 「いう通りにしたさ、だけどどういう訳か気がつくと又アルピニストのひげの中にいたんだよ!」


 ブッルクリンの働き者のパン屋が55歳まで働きずくめで働き店を立派にした。丁度、買い手がついたのを幸い、店を売り、夫婦水入らずの余生を気候の良いカリフォルニアでのんびりと過ごすことにした。
 彼は10万ドルで店を売るとバリバリの手の切れるような1000ドル札を100枚ふところに入れ妻とカリフォルニアに向けて飛び立ったのである。
 ところがネヴァダ砂漠の上空までくると、飛行機のエンジンの具合が少し悪くなったとかで、機長がアナウンスした。
 「別に危険な状態ではないのですが、大事をとってラスベガスに一時着陸し整備することにします。滞在時間は約4時間。どのホテルでもお好きなホテルでお食事をしてください。費用は一切航空会社が負担します。しかし、ご注意申しあげておきますが、もしギャンブルをなさるのでしたら、それはお客様ご自身のご負担でなさってください」
 「ばくちだと」とパン屋は妻に嘲笑(あざわら)っていった。「あんなものは負けるに決まっているんだ。やる奴なんか頭の具合を調べてもらったほうがいい!」
 しかし、いざ豪華なホテルに入ってみると、お客たちはみんな楽しげにカジノで遊んでいる。そこでパン屋も1000ドルだけ遊んでみることにした。
 あぁ、何ということだ。1000ドルもの大金がみるみる減っていき、たちまち消えてしまった。パン屋は失っただけは取り返そうとさらに賭ける。それも瞬く間に消える。気がついた時には虎の子の10万ドルがきれいさっぱりと無くなっていた。
 気の毒なパン屋はよろめく足を踏みしめトイレにいった。しかし、ポケットを探ってみると有料トイレに入るのに必要な10セントすらない。
 そこにたまたま同じ飛行機の客が来合わせ、パン屋の窮状を察すると、こころよく10セントを出してパン屋の手に押しつけたのである。「これはご親切な」とパン屋は言った。
 「あたしは今まで、たとえ1セントたりとも他人に借りたことがない男です。あたしはこのお金を頂戴しますが、あたしにお金ができ次第すぐにお返しするつもりで頂きます」そういってパン屋はその親切な男の名前と住所を無理やり書いてもらった。
 しかし、中に入ってみると、だれかが戸を開けっぱなしで出て行った者がいて、彼は10セントを使わずに済んだ。ロビーにもどって来てひょいと見ると、10セントのスロットマシンがある。彼は何気なく10セントを投じてレバーを引いてみた。
 何ということだろう。ものすごいジャックポットが出たのだ。それからというものは、ラスベガスでも空前のツキがパン屋に回ってきた。そして、飛行機に乗る時間がきた時にはパン屋のポケットには15万ドル。
 カリフォルニアに行ったパン屋夫婦は、ふたりが無為徒食の生活に向いていないことをすぐに悟った。そして、またパン屋を始めたのである。店はたちまち繁盛し数年するうちにパン屋は百万長者の列に加わることになった。
 ある日、彼は自分の店の従業員にラスベガスでの体験を話して聞かせた。「わしがこうしてカリフォルニアで築き上げた商売のすべては、ひとりの男のお陰なんだ。どんなに手を尽くしても、この男をぜひとも探し出したい」
 「でも、わりませんね」と従業員がいぶかしげな顔で聞いた。「大将に10セント貸してくれた人の名前も住所もわかっている筈じゃないんですか?」
 「わしが探しとるのはその男じゃないんだ」とパン屋は言った。
 「是が非でも見つけたいのは、あのトイレの戸を開けたまま出ていった男なんだ」


 ハリーは競馬場にいく途中、精神病院のそばを通りかかった。ふと見ると、ひとりの男がからっぽのバケツにペンキも何もついていないブラシを突っ込んでは一生懸命塀を塗っている。
 ハリーは思わずどうしてそんな無駄なことをしているのか訊ねた。
 男は口の中でブツブツと訳の分からないことをつぶやいていただけだった。「分からんな」ハリーは言った。「それじゃーおれは競馬に出かけるとしようぜ」
 「お前さんは馬に賭けるつもりかい?」その男は突然興味をもったように聞いた。「そうさ,そのつもりさ ,しこたま稼いでくるんだ」
 「そううまくいくもんか」男はいった。 「スッカラカンにされるぜ」
 「あんたみたいな頭のおかしいやつにとやかく言われるつもりはないね」ハリーはそう言い捨てて立ち去った。
 その日の午後、ハリーは重い足取りで家路についた。精神病院のそばまで来ると、あの男が依然として無駄な塀塗りをやっているではないか。「どうだったね?」男がハリーに聞いた。「やられちまったよ」ハリーは力なく答えた。
 「言った通りじゃないか」男は言って。
 「ここへきてブラシを取りな、塀塗りを手伝うんだ」


 老人がユダヤ教の聖歌を歌うオウムを買った。オウムは有名なコール・ニドレーばかりでなく、他にも沢山の聖歌を歌えた。
 それからしばらくの間、老人はオウムの歌う聖歌を聞きながら、ユダヤの大祭日にオウムを礼拝堂へ連れて行ける日を心待ちにしていた。
 やがて新年祭の日に老人は、ユダヤ帽とショールで着飾ったオウムを連れて礼拝堂に行った。ところが、老人が礼拝堂に入ろうとすると、ここは動物園ではないといって入堂を断られてしまった。
 しかし、老人は、オウムが朗詠者やラビよりもうまく聖歌を歌えるからといって何とか入れてもらおうとした。そこでしばらく押し問答が続く内に、オウムが本当に歌えるかどうか礼拝堂に集まった多くの会衆が興味を持った。
 そして老人はみんなと賭けをするはめになった。ただし、この日は、金を使ってはいけない日だったので、賭けはすべて口約束でなされたのだが、賭け金の総額は瞬く間に六千ドルを超えた。
 老人はしてやったりと内心ほくそ笑んだのである。さて、いよいよ彼がオウムに聖歌を歌わせようとしたところ、驚いたことにオウムは貝のように口を閉ざしたまま、一言もしゃべらず、まして歌などまるで歌おうとはしなかった。
 老人はすっかりメンツを失ってしまった。彼は怒り狂ってオウムをわしづかみにすると家に飛んで帰った。家に着くなりすぐに肉切り包丁を引っ張りだしゴシゴシと研ぎにかかった。
 オウムはびっくりして食堂のシャンデリアの上に飛んで逃げた。そして、「ジイさん、いったい何をするつもりなんだい?」と喋った。 「何だ!おめえ、しゃべれるのか?」と老人はびっくりして大声でいった。
 「でも、わしゃ六千ドルも負けちまったし、おまけにメンツも丸つぶれじゃ。おまえが一曲も聖歌を歌わなかったばかりにな。クソッ!この馬鹿オウム、首をちょん切ってやるヮ」
 「ちょっと待てよ、ジイさん」とオウムがたしなめるように言った。
 「馬鹿なまねはよしな。もうすぐヨム・ギブルの祭りがくるじゃないか。今度賭けりゃ、それこそ間違いなく大儲けだぜ」 


 チャーリー・スミスはまじめ一途の男だった。酒はもちろん、タバコも博打もやらず、ひたすら働いた。金に困っていたわけではないが、稼げる内に働くというのが彼の持論で家族と一緒に過ごすことはめったになかった。
 妻はそんな彼を少しばかり淋しさをおぼえたが、賭博場通いで家をあけるのにくらべたら、天国のように幸福だと思い、オウムを飼って気を休めていた。
 ある日、可愛がっていたオウムが突然死んだ。悲しみながらも彼女は新しいオウムを買おうとペットショップへ行った。
 新しいオウムは、最近つぶれた場末のいかがわしい賭博場で飼われていたということだった。そこは飲んだくれやあばずれやフーテン達の溜まり場だったから、オウムはかなり下品な言葉を色々と憶えているともいった。
 「それでもいいわ。私、もう一度訓練し直すから」と言って、彼女はオウムを買って帰った。家に帰ると珍しく夫のチャーリーが帰っていたので彼女はびっくりした。
 さっそく、夫や娘の見守る中、彼女は鳥かごの覆いをとった。オウムは目をパチクリさせ、あたりをキョロキョロ見回すと、やおらしゃべり始めた。
 「フーム、新しい店じゃないか。新顔のマダムに新入りのオネエチャンか。おや、なんでぇ、どっかで見た顔だと思ったらチャーリーじゃないか。久しぶりだな。今夜は場所替えかい?」


  一人で登山していた男が足を踏み外して崖から転落した。幸い、突き出た岩に両手がかかって命拾いはしたが、自力で這い上がることは出来ない。
 その内、手がしびれてきてどうにも我慢がならなくなった。下を見ると千じんの谷で落ちたら命は絶対にないことは明らかだった。
 男は大声で叫んだ。「助けてくれーっ」すると厳かな声が聞こえてきた。
 「わしは神じゃ、わしを信じるならばその両手を離しなさい、天使が舞い降りてきて汝を救うであろう」 
 その言葉を聞いた登山家はしばらく考えた末に再び大声で叫んだ。
 「だれか、ほかの人はいないかーっ」


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